美味しいを多角的に創り上げるチーム支援で、
旅の体験を拡張する。
松島海岸通りの入口、遊覧船発着場が目の前にある松島離宮海の駅で『松島一望料理店 和食めん処 誉旨(よし)』を営む吉岡克訓さん。遊覧船『仁王丸』の船内限定で販売する「海弁(うみべん)」の開発・販売にあたり、当拠点では商品開発から資金繰り、広告クリエイティブ、デザイン制作、プレスリリースまで、コーディネーターの専門性を活かしたリレー型の伴走支援を行いました。単なる弁当販売ではなく、絶景とともに楽しむ新しい体験にしたい——。その想いが、よろず支援拠点のチーム支援で具体化していきます。


支援のポイント
支援内容
資金繰りと商品開発の両輪でスタート
吉岡さんが初めて当拠点を訪れたのは2024年5月。コロナ融資の返済開始や物価高、人件費高騰による資金繰りが課題でした。遠藤SCCOは資金繰りの整理と同時に、新たな収益源として観光船向けの弁当事業を提案。佐藤チーフコーディネーター(CCO)も加わり、融資相談に対応しながら商品開発の方向性やターゲット設定を検討しました。
「海弁」というアイデアの誕生
「遊覧船で松花堂弁当を売ってはどうか」というアイデアから、駅弁ならぬ“海弁”というネーミングが生まれます。地元食材の牡蠣やシェルクラブ(イシガニ)を盛り込み、船会社への打診を経て販売が決定しました。遠藤サブチーフコーディネーター(SCCO)がフードスタイリングの助言を行い、盛り付けや自然光を活かした写真撮影の工夫も支援しました。
クリエイティブ戦略で「旅の体験」を再定義
酒井コーディネーター(CO)が参画し、プロモーション全体を統合するクリエイティブプランニングを担当。「美味しい弁当ですよ」という単純なPRではなく、弁当を“旅の満足度を高めるアイテム”として位置付ける方針を打ち出しました。ブルーオーシャン戦略を用いて、「満腹を目的にしない」「高級食材を詰め込まない」といった要素を削ぎ落としながら、「旅の体験を120%にする仕掛け」や「掛紙や品書きによる物語性」を付け加える戦略を組み立てました。その戦略を象徴するキャッチコピーが「手に弁当、目に絶景。」です。景色と弁当の両方が主役であることを一言で示し、ピクニックのような気軽さと旅の特別感を両立。弁当を「空腹を満たすもの」から「旅を満たすもの」へと再定義しました。
パッケージとツールの細部までコンセプトを貫く
戦略の実行では、見た目だけでなく体験の流れを重視しました。酒井COの提案に基づき、以下のようなチューニングが行われました。
◎ポスター・チラシ・SNS用ビジュアルの統一
酒井COが示したビジュアル方針に沿い、山内COがCanvaでデザインテンプレートを作成し、吉岡さんが自ら制作できるよう伴走しました。
◎懐紙風お品書きの追加
お弁当と一緒に手渡す小さな「お品書き」は海模様のデザインで、旅の記念品として残せるよう工夫。景色を楽しみながら読むことで、食事と風景が連動し、「海弁」の世界観を強調します。
◎掛紙やパッケージのアップデート
既存パッケージに海モチーフを採り入れ、旅の雰囲気を演出。細かな調整により、コンセプト軸が商品全体に染み込むようにしました。
広報・メディア露出の加速
山内COがデザイン制作支援を継続し、遠藤SCCOがプレスリリースの重要性を説明しました。吉澤COは「鉄道に駅弁、飛行機に空弁、観光船に海弁」という切り口でプレスリリースを作成し、年末年始限定メニューをフックにメディアへの投げ込みを実施。結果的にテレビ番組や新聞に取り上げられ、認知度が大きく向上しました。




支援の成果と今後の展望
- 遊覧船内限定販売という話題性と、旅の体験を拡張するパッケージングの工夫により、多くの観光客の関心を獲得。
- チラシ・ポスターの視認性向上とSNS投稿により船内外での購買動機が強化。
- テレビや新聞など複数メディアで取り上げられ、新しい松島名物として広く認知され始めた。
- 海模様デザインのお品書き追加など、コンセプトに基づいた細かなチューニングが、商品への愛着と口コミ促進に寄与した。
今後は、季節限定のメニュー追加や商標登録の検討、観光施設・宿泊施設への販促ツール配布など、継続的な周知施策が課題です。チーム支援を活かしながら、事業者さまとともに、海弁を松島の「新しい当たり前」に育てていきます。
事業者さまの声

代表 吉岡克訓さん
ひとつのアイデアとして構想はあったものの具体的な商品化に出来ていなかったのですが、船会社との交渉の仕方やチラシの作成方法、商標登録の仕方やプレスリリースに至るまで丁寧にご指導しただきました。この「海弁」が新たな松島名物になるように今後も取り組んでまいります。
事業者情報
| 事業者名 | 松島一望料理店 和食めん処 誉旨(よし) |
| 住所 | 宮城県宮城郡松島町松島字町内75-14 松島離宮海の駅3F |
| 電話番号 | 022-355-1677 |
| WEBサイト | https://www.washoku-yoshi.com/ |
| https://www.instagram.com/washokuyoshi/ |
●当拠点の主な支援コーディネーター

佐藤 創 (中小企業診断士)
経営改善、売上拡大、広報戦略を得意とする経営コンサルタント。
今回は経営課題抽出から財務アドバイスまで、戦略設計を中心にご支援。

遠藤 さゆり (フードコーディネーター)
売上拡大、商品開発、フードスタイリングなど、トータルプロデュースが得意。
今回は商品開発からプロモーションまで、プロジェクト全体を通してご支援。

酒井 裕希
デザインや広告表現を企画するクリエイティブディレクションの専門家。
今回はビジュアルコンセプト設計を通した、宣伝企画をご支援。

山内 恭輔
デザイン、写真・動画撮影、WEB集客の専門家。
今回は撮影やデザイン制作サポートを通して、ビジュアル演出をご支援。

吉澤 貴幸
広告宣伝、ブランディングの専門家。
今回はプレスリリース作成を通して、認知拡大をご支援。









