岩沼市で、西洋医学と東洋医学の双方を取り入れた診療を行う「あおぞら動物医院」。西洋医学に加え、漢方や鍼灸なども取り入れ、動物の状態に合わせた幅広い治療を行ってきました。しかし、その特徴や診療への考え方は、来院前の飼い主には十分に伝わっていませんでした。
そこで、当院が持つ強みを改めて整理し、ブランドコンセプトを再構築。ポスターや院内パンフレット、Webサイトまで、一貫した「伝え方」へと見直す伴走支援が始まりました。


支援のポイント
支援内容
「東洋医学ができる」だけでは強みが伝わらない
当院は西洋医学を基本としながら、漢方や鍼灸などの東洋医学も取り入れてきました。症状や状態に応じて複数のアプローチを検討できることは、当院ならではの特徴です。
しかし、「漢方を扱っている」「鍼灸ができる」と治療方法を伝えるだけでは、飼い主にとってどのようなメリットがあるのかまでは十分に伝わりません。この点を解決するため、ブランディングの取り組みを一緒に検討することとしました。
まずは、診療内容や患者事例を整理し、「この医院は、誰の、どんな悩みに応える医院なのか」を掘り下げてヒアリングを徹底しました。
見えてきたのは、「治療を続けているが改善しない」「あとは様子を見るしかないと言われた」など、「何か、他にできることはないのか」と治療の可能性を探す飼い主の存在。
医院の強みは、東洋医学そのものではなく、西洋・東洋双方から治療の選択肢を考えられるので、飼い主の「何か他にできないのか」という切実な悩みに答えられることなのではないか、と考え議論を深めていきました。院長先生の「うちでは、”もう打つ手はない”ということは無く、やれることは無限にあるんだ」という言葉が、当院の価値を表していると考えました。
当院でしか言えないメッセージへ落とし込み
強みを整理した後は、それを飼い主にどう伝えるか、ブランドメッセージの検討を進めました。
専門的な「統合医療」を説明するのではなく、飼い主にとって、この医院が存在する価値をどう表現するか。そこで生まれたのが、
「『もう打つ手はない』と、私たちは言いません。」
というメッセージです。
さらに、医院の特徴を「西洋医学と東洋医学で広がる選択。」とタグラインで提案。企業からお客様へのお手紙・宣言とするステートメントは以下を提案しました。

これらを軸にポスターや院内パンフレットの制作を、デザイナーの山内コーディネーターがサポート。Webサイトも同じコンセプトで改修しました。
治療方法を個別にPRするのではなく、「一つの方法だけで終わらず、その子のためにできることを考える医院」という価値が、一貫して伝わる情報発信を徹底していきました。
来院前から伝わることで、診療がもっとスムーズに
情報発信を見直すと、集客だけではない変化が現れました。
Webサイトなどをよく読み、医院の特徴や診療への考え方を理解したうえで来院する飼い主が増えていったのです。
来院前から診療方針が伝わることで、一から医院の特徴を説明する負担が軽減。飼い主とのコミュニケーションも円滑になり、診療や接客のオペレーションがスムーズになりました。
さらに院内パンフレットは、飼い主だけでなく、動物専門学校から来るインターン生にも医院の考え方を理解してもらいやすく、診療方針を共有するツールとしても機能しました。これまでも近隣のペット専門学校の生徒の受け入れはありましたが、Webサイトリニューアル後は、盛岡や秋田から、わざわざホテルを取ってまで当院にインターンに来たい、という依頼が立て続けに発生。当院の歴史でも初めてのことです。
そして、医院と飼い主との認識や期待のズレが少なくなったことで、治療以前の不毛な飼い主さんとのやり取りも劇的に減少し、すでに当院のことを理解してお越し頂く方が増加しました。
「多くの人に知ってもらう」だけではなく、「当院の価値を正しく理解してもらう」ブランディングが、顧客との関係だけでなく、日々の診療現場にも良い変化をもたらしました。
ブランディングは外に向けて発信するだけではないのです。従業員やスタッフなどの内側にも効いてきて、「私たちの存在価値は何か」という意識醸成、どう行動すべきかまでを統一できる指針に育っていきました。
事業者さまの声

当院が磨いてきた専門性が、具体的にどのような利益をもたらすのかを、来院される方に可視化することの重要性に気づくことができました。
当院が提供するサービスの特色に合致するニーズをお持ちの方が、選好して来院されるケースが増えた結果、当院と来院者の間のミスマッチをあぶり出すことに終始する徒労も顕著に減少しました。
高度な専門性がもたらす恩恵を、より多くの飼い主さんに享受していただくために、さらなるコミュニケーション能力の向上に取り組んで参りたいと思います。
事業者情報
| 事業者名 | シーディーアイ有限会社(屋号:あおぞら動物医院) |
| 住所 | 宮城県岩沼市 |
| ホームページ | https://aozora-vc.com/ |
●主な支援コーディネーター

佐藤 創 (中小企業診断士、高度情報処理技術者、ブランドマネージャー、アドラー心理学マスタープラクティショナー)
診断士の戦略眼・財務戦略と、IT業界で培ったWebマーケティングや業務効率化、ブランドマネージャーとしての広告・ブランド戦略を総合する「企業の本質的な成長支援」が得意。
医療ほど事業者さまと、患者さまとの情報格差のある仕事はありません。それゆえに、意識のすれ違い・勘違いも起こりやすい。ブランディングはその誤解を解くとともに、スタッフの行動指針やパーパスにもなるものです。今回の支援で当院の価値が明確になり、今後の事業展開やリクルートにもしっかり生きてくると確信しています。

山内 恭輔 (グラフィックデザイナー、カメラマン、ECサイト構築運営)
Webデザイン、販促デザイン、写真・動画撮影、パッケージ作成など多彩なクリエイティブ支援が持ち味。
今回は、キーグラフィックイメージから実際のポスター提案、パンフレット構成提案、Canvaでの作成支援、デザイン入稿ノウハウまでを一貫してサポート。しっかりと意図した目的をデザインに落とし込み、事業者へ分かり易く作成できるよう継続支援を実施。












