登米市にあるラーメン店「福水(ふくすい)」さん。 値上げによる客離れへの不安からなかなか価格転嫁に踏み切れずにいましたが、客観的なデータに基づく価格改定シミュレーションと商品の魅力を視覚的に伝えるメニュー表のリニューアルによって、価格改定後は売上10%増を実現しました。


支援のポイント
支援内容
福水代表の小野寺さんは、先代の急逝後、努力を重ねて常連客に認められる味を守り続けてきました。来店客が絶えない人気店ではあるものの、近年の物価高騰により仕入れ価格が上昇 。さらにコロナ禍のダメージも残っており、資金繰りは非常に厳しい状況でした 。対策として、これまで2度の値上げに取り組みましたが、売上が約20%が減少したことも。当拠点へ相談に訪れた際は「これ以上の値上げは客離れを招く」と価格改定にネガティブになっていました。
まずはメニューごとの原価を確認。すると、看板商品であるチャーシューの原価構成率が約4割と高いものの、それが価格に十分に反映できていないことが分かりました。さらに損益シミュレーションから「現行価格のまま目標利益を確保するには、客数を1.5倍に増やす必要がある」ことが分かり、収益改善のためには3度目の価格改定を成功させる必要があることを共有しました。
価格改定の検討を進めるにあたり、商品ごとの利益貢献度をまとめた利益ミックス表を作成。周辺のラーメン店の価格も参考にしながらシミュレーションを行いました。その結果、全体で10%の価格改定を実施することに 。特に粗利率の高い「味付け卵」や「ネギ」などは、セットメニューに組み込むことで注文数を増やし、利益を確保する具体策を講じました 。
併せて値上げへの心理的ハードルを下げるため、メニュー表のリニューアルも実施。 デザイナーの荒井COが支援に入り、同店のラーメンへのこだわりや、常連客に人気のトッピングの楽しみ方を、接客しなくても一目で伝わるデザインに落とし込んでいきました 。
価格改定とメニュー表リニューアルの結果、売上は事前のシミュレーション通り、改定前に比べて10%増加しました 。また、懸念されていた原価率も改善しました 。 もっとも心配していた客離れについても、価格改定と同時に実施したキャンペーンの効果もあり、客数は減少することなく横ばいで推移しています 。
今後は、価格改定後の集客・収益状況のモニタリングを続けながら、必要に応じてキャンペーン等で集客を強化していく方針です。


事業者さまの声
一人で悩んでいた時は、「値段を上げたらお客さんが来なくなるのではないか」という不安ばかりでした。専門のコーディネーターとの出会いで、「これでいいんだ」と前向きな気持ちになれたことが一番大きかったです。 「上げないでダメになるより、上げてダメになった方がいい」という言葉も心に響きました。一人で悩まず、無料の相談窓口を活用し、心強いパートナーを見つけることが大切です。思い切った一歩を踏み出す勇気が、必要な時もあると感じました。
事業者情報
| 事業者名 | 福水 |
| 住所 | 登米市中田町石森字二木104-1 |
| 電話番号 | 0220-23-1739 |
| https://www.instagram.com/fukusui2017411?igsh=ZjFqbWlucWYybnh5 |
●当拠点の主な支援コーディネーター

室岡 庸司 (中小企業診断士)
原価計算と損益シミュレーションを担当。 「感覚」ではなく「数値」に基づいた現状分析を行い、事業者が納得して踏み出せる価格戦略を提案します









