”ついあれもこれも盛り込んでしまい、伝えたいことがぼやけてしまう”…そんな悩み、よく聞きます。
宮城県よろず支援拠点コーディネーターの酒井裕希です。
これはチラシやPOPだけでなく、会議資料や提案書、SNS投稿でも同じこと。情報をどう整え、どのくらいの量で届けるかによって、受け手の反応は大きく変わります。
そこで今日は、この“盛りすぎない情報設計”を、身近な例えでお伝えしてみたいと思います。
情報発信や資料づくりは「お弁当づくり」に似ているのです。
お弁当は、中身をどう組み合わせるかがポイント。情報発信のデザインも、蓋を開けた時の喜びを作り出すために、目的と構成が大事になってきます。
①まず、ご飯を詰めます(基本情報)
これは、発信や資料の「土台」。会社名や日時、場所など、なくてはならない基本情報です。
②次に主菜を入れます(メインメッセージ)
これが「一番伝えたいメッセージ」。チラシならセール情報、会議資料なら今回の結論や提案の核です。ここで大事なのは、自分が伝えたいことを詰め込むのではなく、相手が“これが欲しかった”と思えるテーマを想像すること。視覚的なメッセージづくりには、この「やさしさ」が欠かせません。
③そして最後に、副菜を添えます(補足)
副菜は、主菜の魅力を引き立てる小さな要素。量は主菜の1/2〜1/3がちょうどよく、盛りすぎても少なすぎてもいけません。副菜は、主菜にはない“栄養”を補う存在でもあります。例えば、数値や実績といった根拠、あるいは季節感や人となりが伝わる一言。主菜だけでは単調になりがちな情報を、副菜がやわらかく支えてくれます。
お弁当は、誰のためのものかによって中身が変わります。
大会に挑む部活生のお弁当はボリュームたっぷりに、遠足の子ども向けには見た目も楽しめるお弁当、そして健康を意識したい大人向けには栄養バランスを考慮したお弁当に。情報発信も同じで、受け手によって量も内容も見せ方も変わります。
これらは当たり前のことのようで、実際には忘れられがちです。
主菜ばかり増やしても、副菜ばかりにしても、全体のバランスが崩れます。大事なものをしっかり入れ、そこに少しのエッセンスを添える。その全体設計こそが、「伝わる」視覚表現の基盤です。この考え方は、チラシやPOPだけでなく、会議資料や提案書、SNS投稿など、あらゆる「見せて伝えるもの」に応用できます。土台・主菜・副菜を意識して、受け手にやさしい構成を整えるだけで、特別な技術がなくても視覚で伝える力はぐっと高まります。
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