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【飲食店生産性向上&スキルアップ作戦パート3】客席レイアウトと作業導線設計

飲食店シリーズの3回目、最終回です。飲食店の現場改善や業務改善において、「生産性の向上」は永遠のテーマです。人手不足や原材料費の高騰が続く昨今、限られた店舗面積とスタッフの人数で売上と利益を最大化するためには、決まった面積の中で売上を最大化するための客席配置やテーブル編成、効率よく作業する理論が存在します。

その中でも、店舗の生産性を劇的に変える最大のカギとなるのが「客席レイアウト」と「作業導線設計」です。これらを適切に設計することで、無駄な作業工数が削減され、結果としてコスト削減や売上アップに直結します。本ブログでは、効率よく店舗を経営するための基礎知識と具体的な実践術について詳しく解説します。

■ 1. 客席レイアウトの基礎知識

客席レイアウトは、限られた面積の中でどれだけのお客様を受け入れられるかを決定づけます。

【2人掛けテーブルが基本】
飲食店の平均組客数は年々減少傾向にあり、現在のデータでは東京で2.1人、大阪で2.4人となっています。宮城県のデータはありませんが、おそらく2.5~3人弱と想定されます。この実態を踏まえると、客席レイアウトは「カウンター+2人掛け席が基本」とし、偶数客対応で考えるのが鉄則です。
1人客はカウンターへご案内し、3人組のお客様が来店された場合は、2人掛け席を「がっちゃんこ(連結)」して対応します。実は、効率だけ考えるのなら4人掛け席は不要だと言えます。4人掛け席に1人客や2人組を座らせてしまうと客席稼働率は25%〜50%に留まってしまいますが、フレキシブルに動かせる2人掛けテーブルを連結させ実質ベンチシートのように活用することで、死に席を減らして客席稼働率75〜100%をキープできるようになります。

【ハイテーブルとハイチェアの基礎知識】
客席動線を確保する上で、意外と見落としがちなのが「テーブルと椅子の高さ」です。
ローテーブルとローチェアを配置した場合、人は座った時に膝を折るため、無意識のうちに椅子をテーブルから離す行動をとります。その結果、動線のスペースが狭まり、通行の妨げになりやすくなります。
一方で、ハイテーブルとハイチェアを採用すると、人は座った時に膝が伸びるため、無意識に椅子をテーブルに近づける行動をとります。特にカウンター席はハイテーブル・ハイチェアにし、お客様にしっかり椅子を引かせて座っていただくことで、動線幅を広く確保できるようになります。また、2人掛けテーブルよりもカップルシートを採用することでも、動線のスペースが空きやすくなります。

■ 2. 作業導線設計の極意


スタッフがいかに効率よく、ストレスなく働けるかは「作業導線」にかかっています。

【3つの基本+最近の傾向】
作業導線設計においては、以下の3つの基本を押さえましょう。

  • 基本① 極力歩かない、動かない導線設計:無駄な歩行や動きは時間のロスであり、疲労の原因になります。
  • 基本② 頻度多いものは手前に、少ないもの重たいものは奥で保管:この基本を取り入れるだけで、作業スピードは格段に上がります。
  • 基本③ お客様の顔が極力見えるオペレーション:厨房スタッフ全てが客席を向いて作業することで目が合いやすくなり、コミュニケーション不在になりにくい店舗づくりが実現します。

※最近の傾向
さらに近年では、「お客様に作業代行もして貰える環境設計」がトレンドになっています。例えば、カウンターから手渡ししたり、ドリンクはセルフ対応出来るようにしたり、モバイルオーダーに特化した店舗にする工夫です。スタッフの動線を減らしつつ、お客様にも動いてもらう仕組みを作ることで、業務負担は大きく下がります。

■ 3. 判断のバロメータ:「回転数」と「客席稼働率」

自店の店舗面積をうまく活用できているか、レイアウトや導線が適切かどうかを客観的に評価するためには、現状を分析することが不可欠です。その判断バロメータとなるのが「回転数」と「客席稼働率」の2つの指標です。

① 回転数は適切か?(回転数 = 1日の総客数 ÷ 総客席数)
回転数を上げるためには、「お客様の待ち時間を減らす」という目線が非常に重要です。具体的には、バッシング(片付け)やテーブルセッティングのスピードを上げること、そして注文・会計・配膳にかかるオペレーションの人的負担を下げる工夫が求められます。「我が店は満席にならないから関係ない」では無く、「満席にならなくても常に人的負担を下げる工夫」が結果的に生産性向上の仕組み化に繋がります

② 死に席がなく稼働しているか?(客席稼働率 = 満席時の来客数 ÷ 総客席数)
客席稼働率の目標となる合格ラインは「70%」以上です。この数値を達成するには、現在の席のレイアウトを見直すことや、レイアウトに合わせた層を集客すること、さらにはスタッフに稼働率を意識した配席を徹底することが大切です。カウンター席の稼働が少ない場合は、店頭に「おひとり様歓迎」「ちょい飲み晩酌セット」と掲示するだけでも大きな効果があります。

■ 4. まとめ


今回は「客席レイアウトと作業導線設計」がいかに飲食店の生産性向上において重要であるかを説明してきました。

単に席を詰め込めばよいというものではなく、「2人掛けテーブルを基本とした死に席の排除」や、「ハイチェアを活用した動線幅の確保」、「極力動かない、お客様の顔が見える作業導線設計」を構築することが重要です。そこに最近の傾向であるセルフ対応やモバイルオーダーを組み合わせることで、さらなる作業工数軽減が可能となります。

まずは判断バロメータとして自店の「回転数」と「客席稼働率」を算出し、現状を把握してください。そこから客席レイアウトと作業導線を見直すことで、回転数と客席稼働率のアップを実現し、限られた面積での「売上の最大化」と「コスト削減」を同時に達成できるはずです。

「客席レイアウトと作業導線設計」の考え方は他の業種業態でも一致する箇所が多々あります。

皆様の勇気あるチャレンジ、期待しております!

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