こんにちは。
宮城県よろず支援拠点コーディネーターの酒井裕希です。
広告づくりに関わる中で、こんな不安を感じたことはありませんか?
「なんとなく大丈夫だと思ったけど…これって誰かを傷つけない?」
「この言い回し、SNSで炎上しないかな…?」
2025年9月に開催した宮城県よろず支援拠点ミニセミナー「うっかりで炎上!?事例から学ぶ広告マナー」では、そんな“ちょっとした油断”が引き起こすリスクについて、私から実例をもとにお話ししました。
この記事では、その内容の一部をご紹介します。
「無自覚」が招く炎上リスク
まず確認したのは、「なぜ炎上するのか?」という点。炎上には明確なパターンがありますが、多くは「悪意のない失言」や「配慮不足」がきっかけになります。特に広告の場面では、ちょっとした表現が想定以上に強く受け取られ、SNSで瞬く間に拡散されてしまうことも。
セミナーでは、実際に過去に問題となった広告表現を取り上げ、
- 性的なメタファーや容姿イジリ
- 時代錯誤なジェンダー意識
- ステレオタイプの押しつけ
- 弱者を茶化すような表現
など、さまざまなジャンルに分類して解説しました。
「笑い」と「不快感」は紙一重
実例で紹介したある広告では、「面白い!」という声と「不快だ」という声が両極端に分かれました。この“感じ方の差”をどう捉えるかが、クリエイティブの設計では非常に重要です。大切なのは、「誰に向けて届ける広告なのか」を常に意識すること。そして、“ユーモアのつもり”が誰かの“痛み”になっていないか、という視点を持つことです。
法律よりも、「マナー」が問われる時代へ
面白いのは、「法的には問題ないけど、炎上した」ケースがとても多いこと。つまり、今は“法令”より“感覚”が問われる時代とも言えます。
「広告の心得」として、セミナーでは以下の3点をまとめました。
-炎上を「誰の視点」で見るかを考える
-ターゲットと非ターゲット、どちらにも配慮を
-作り手側の“正義感”が伝わる設計を心がける
炎上を完全に防ぐことは難しいですが、こうした考え方を持つことで、広告表現の精度を高めることができます。
おわりに
今回のセミナーでは、参加者の皆さんから「自分の発信内容を、もう一度見直してみようと思った」「“どの立場から見るか”という視点が勉強になった」といった感想をいただきました。広告表現は、伝える力であり、ときに凶器にもなります。だからこそ、
「心を込めて丁寧につくること=マナー」
が、何より大切なのかもしれません。
📌 よろず支援拠点では、さまざまな専門家によるセミナーも毎月開催しています。経営のヒントがきっと見つかるはずです。どうぞご活用ください。