コーディネーターブログ

情報が多い時期ほど、“一貫性”が信頼になる。

こんにちは。
宮城県よろず支援拠点コーディネーターの酒井裕希です。

日々、情報発信のご相談を受ける中で、よく感じることがあります。
それは、「忙しい時期ほど、メッセージが揺れやすい」 ということです。

キャンペーン、告知、営業案内、お知らせ、SNS投稿。どれも大切なのですが、発信量が増えるほど、その時々で言い回しやトーンが変わってしまうことがあります。実は、この“少しの揺れ”こそが、生活者のなかに抱く「その会社らしさ」をぼんやりさせてしまいます。


メッセージの“一貫性”は、信頼の土台になる

ブランドは、華やかなロゴや大きな広告だけで決まるものではありません。
日々の小さな発信が積み重なり、ようやく“らしさ”として形になるものです。

・SNSの言葉の温度
・POPの言い回し
・メニュー表の雰囲気
・店頭の掲示物
・DMや案内文のトーン

これらが揃っていると、お客様は無意識に「安心」を感じます。逆に、ちょっとずつ揺れていると、気づかないうちに違和感が積もってしまいます。


“らしさ”とは、言葉と言葉じゃないものの積み重ね

無印良品やスターバックスなどの成功事例にも触れながら、ロゴが無くても、色や形や質感だけで「どこらしい」と感じられる世界観を紹介しました。特に、書体はブランドの“声色”といわれ、声色が整うと伝わり方の温度まで揃っていきます。結局のところ、“一貫性”こそが“らしさ”になるのです。

SNS、店頭、名刺、メニュー表、看板…、タッチポイントがバラバラになると、生活者の頭の中のイメージは一瞬で崩れてしまいます。


情報量が増える時期ほど、揃えておきたい3つのこと

忙しさが増える時期は、どうしても“その場で必要な言葉”を優先しがちです。だからこそ、以下の3つだけ意識しておくと、一貫性が保ちやすくなります。

① 言い回しが変わっていないか
商品名、サービス名、挨拶文…わずかな揺れが、印象の揺れにつながります。

② 伝えたい姿勢が一貫しているか
丁寧さ?親しみやすさ?誠実さ?どのトーンで届けるのかを明確に。

③ 写真・色・フォントの“温度”がそろっているか
SNSで唐突にポップな会話になったり、店頭では落ち着きがある対応になったり…となると、世界観が分裂します。 これらを整えるだけで、お客様の中の“あなたらしさ”は、驚くほど強く育ちます。


一貫性は「関係性を守るための、静かな配慮」


ブランドとは、“自分たちの姿勢をどう届けるか”という積み重ねそのものです。

大げさに言えば、一貫性は「価値の羅針盤」。
小さく言えば「日々の小さな気づかい」。

どちらも、お客様との関係性を守るための大切な要素です。
情報量が多い時期ほど、“あなたらしい声で、あなたらしいふるまいで伝える” ことが、結果として最も多くの信頼をつくっていきます。


おわりに

今回の話は、先月お伝えした 「“らしさ”は一貫性から生まれる」 というテーマの延長にあります。そして来月のブログでは、もう少し内側に立ち返って、「自社・自店のキャラクター像を見つめ直す」というお話をしていきたいと思います。

日々の発信の積み重ねが、未来のお客様との関係性を育てます。 忙しいときほど、一歩だけ立ち止まって、整えてみてください。


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