コーディネーターブログ

“らしさ”が伝わると、選ばれる。はじめてのブランディングの話

こんにちは。
宮城県よろず支援拠点コーディネーターの酒井裕希です。

商品もサービスも、“機能”だけでは差がつきにくい時代になりました。

品質が揃い、情報が溢れ、SNSでは無数の良い商品が並ぶ。そんな状況のなかで、生活者が求めているのは “意味のある選択肢” になりつつあります。質の悪いものに出会うことは本当に少なくなった現状からも、その“ひとつ前に出る存在”として「ブランド」への意識が大切だと言えます。

2025年10月に開催した宮城県よろず支援拠点ミニセミナー「“らしさ”が伝わると、選ばれる。はじめてのブランディング」では、小規模事業者でも今日から始められる“ブランディングの第一歩”について、私から実例をもとにお話ししました。
この記事では、その内容の一部をご紹介します。


「選ばれるための仕組み」がブランドの本質

セミナーではまず、マーケティングとブランディングの違いから整理しました。マーケティングは「買ってもらう仕組み」、一方でブランディングは “選んでもらう仕組み」。ブランドをつくるとは、ロゴを整えることでも、広告を派手にすることでもなく、相手の頭の中に「なんか、好きかもしれない」を育てていく行為です。

“らしさ”という軸があるブランドは、生活者にとって 情報の迷子にならない“目印” になり、品質への信頼や、自己実現の手助けとなっていきます。


“らしさ”とは、言葉と言葉じゃないものの積み重ね

無印良品やスターバックスなどの成功事例にも触れながら、ロゴが無くても、色や形や質感だけで「どこらしい」と感じられる世界観を紹介しました。特に、書体はブランドの“声色”といわれ、声色が整うと伝わり方の温度まで揃っていきます。結局のところ、“一貫性”こそが“らしさ”になるのです。

SNS、店頭、名刺、メニュー表、看板…、タッチポイントがバラバラになると、生活者の頭の中のイメージは一瞬で崩れてしまいます。


では、小規模事業者は何から始めればいい?

今回のセミナーでは、難しい専門用語よりも、“今日からできること”を中心に据えました。

① まずは言葉を整える(ブランドの約束=タグライン)

ブランドの“理念”や“届けたい価値”を、一行の言葉にまとめる。
大企業だけでなく、小さな店ほど「言葉の軸」が効いてきます。

② その言葉と矛盾しない見た目をそろえる
・色
・写真のトーン
・フォント
・メニューやPOPの言い回し
これらが揃うだけで、お客様が受け取る印象はガラッと変わります。

③ “一瞬の体験”を大事にする
Moment of Truth(真実の瞬間) の話では、「お客様の感情が最も高まる瞬間はどこか」を見つめることの重要性を紹介しました。初めてお店を見つけたとき、注文を決めるとき、商品を手にしたとき、そのひとつひとつこそ、ブランドが育つ“瞬間”です。


おわりに

今回のセミナーで繰り返しお伝えしたのは、ブランドは「作るもの」ではなく「積み重なるもの」だということ。生活者は機能より“意味”を買い、企業は強みより“姿勢”で選ばれる時代。自分たち“らしさ”を言葉に丁寧に整えていくことが、事業者にとって最大の武器になるといえるでしょう。まずは、ひとつだけ「そろえる場所」を決めてみてください。そこから“らしさ”は育っていきます。

次回以降のセミナーでも、日々に役立つ“伝え方”の視点をお届けしていきます。


📌 よろず支援拠点では、さまざまな専門家によるセミナーも毎月開催しています。経営のヒントがきっと見つかるはずです。どうぞご活用ください。

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