みやぎよろず支援の沼澤です。
食品が4000品目を超えた超値上げの4月に入って1週間が過ぎました。
スムーズに「値上げや価格転嫁」出来た企業や店舗は良いですが、確定申告や年度末などバタバタしている内に4月に入ってしまい未だ中々踏み切れない、企業や店舗も数多くあると聞いております。
「値上げや価格転嫁」した場合、一番懸念することは「買い控え、客離れ」です。
それが頭から離れず、中々実行出来ない経営者が多くおられ、結果的に値上げ分を自社でカバーする形となり、それが長期化すればするほど企業体力を消耗して行きます。

先日、ある食品スーパーからインストア寿司の値上げについて相談されました。「現状10貫990円の海宝箱寿司を値上げしたい」「3年前、価格を上げて、品質・量目そのまま【A案】にしたところ、売価が1000円超え一気に買い控えされた」「そのため1年前、価格・量目そのままで、品質ダウン(ネタ替え)【B案】をしたところ、シニア客から「安っぽい、不味い」と不評が出て、結局ネタを元に戻して10円だけ上げた」とのこと。
現場から出た声は「【A案】【B案】以外で価格転嫁する方法を知りたい」でした。
私は「値頃感」の話をさせて頂きました。
このスーパーでこのランクのお寿司の場合、「1000円以下」と言うプライスゾーンが重要だと。税別でも1000円を超えてしまうと、「高い」「じゃ止めておこう」となりがちなのではないか。
そのため、売価を1000円以下に設定し、品質はそのまま据え置きとした場合、おのずと「量目変更」の構想が見えてきました。
現状10貫990円(@99)→【C案】9貫980円(@109)→ 約10%前後の値上げです。
包材メーカさんに確認したところ、丁度正方形パッケージがあり、長方形から変更。包材単価も若干下がる事が判明しました。

このスーパーでは3月から【C案】「価格、品質そのまま量目変更」にしました。(10%アップ分は吸収できるので、価格は政策的に10円だけ下る事ができました)
ここで重要な事は「商品名(ネーミング)」を変えることです。同じ名前ですと単なる値上げになってしまいますので、名前を変えて別商品、新商品としてPRすることは必須です。
「商品に売価をつける」のではなく「売価に商品を合わせる」、【値頃戦略】
全ての業種や商品にマッチする訳ではありませんが、消費者が価格に敏感な商品や形態変更し易い商品カテゴリーには比較的向いているかもしれませんね。