コーディネーターブログ

TULLY’S COFFEEの「BARISTA’S BLACK キリマンジャロ」から学んだ売上アップのヒント

こんにちは!
宮城県よろず支援拠点コーディネーターの鈴木貴之です。

日々の経営で、こんな風に感じていませんか?

「とにかく価格を下げないとお客様は選んでくれない…」
「うちの商品は他と大差ないから、結局は安さが勝負だ…」

私も以前はそう考えていました。

しかし、私のその考えを大きく変えてくれる出来事がありました。
しかもそれは、ある大きな出来事があったわけではありません。
私が普段していることそのものにヒントがあったのです。

上の写真、見てください。

ボトル缶コーヒー、TULLY’S COFFEEの「BARISTA’S BLACK キリマンジャロ」です。

このコーヒー、他の缶コーヒーより20円ほど高い。
20代の私なら迷わず安い方を選んでいたはずです。

でも、40代になってから、私はこれを見つけたら必ず買うようになりました。

なぜ、私は20円高くてもこれを選ぶのか?

それを、改めて考えてみたのです。
そして、ここに価格競争から抜け出すためのヒントが隠されていました。

「何となく良い」で十分!お客様は論理ではなく感情で選ぶ

私がこのコーヒーを選ぶ理由を冷静に分析すると、面白いことがわかります。

  1. キリマンジャロという響きと青いボトル: 何となく良い。あくまでも「何となく」。
  2. 高いコーヒーを飲んでいるというセルフイメージ: これが重要。
  3. 味もよい(ような気がする): 実は後付けの理由。コーヒーの味なんて正直細かくわかりません。

ここで本当に注目してほしいのは、理由の①と③は「何となく」の領域で、決して決定的な理由ではないということです。

味の良さなんて、結局は「高いものを選んだのだから美味しいはず」という後付けの納得感なんですね。
他の安いコーヒーと伸び比べしたわけではありません。
(伸び比べしてもわかりません。たぶん…)

では、なぜ買うのか?

それは、「高いラインの選択肢があるから」です。

人は、単なる機能(=コーヒーの味)ではなく、「その選択をすることで満たされる感情(セルフイメージ)」に対して、喜んでお金を払う生き物なんです。

貴社の「竹」と「松」は、お客様の購買意欲を引き出す

この現象は、マーケティングの世界で非常に強力な戦略として活用されています。

つまり、単純に「何となく良い、少し高いラインの商品」があるだけで、そちらを選ぶお客様が必ず出てくるということです。

あなたのお店にとって、一番利益率が高いのはどの商品ですか?
ほとんどの場合、「松」や「プレミアム」といった上位ラインのはずです。

では、どうすれば上位ラインを選んでもらえるのか?

1. 意図的に「上位の選択肢」を用意する

まず、御社のサービスや商品ラインナップを見直してください。

お客様に選んでもらうための「松竹梅」のラインナップが明確にありますか?

すべて「竹」や「梅」の価格帯で勝負していては、いつまで経っても価格競争からは抜け出せません。

もしあなたが売りたいのが標準商品(竹)だったとしたら、「松」という名の少し高い選択肢が不可欠なんです。

2. 機能ではなく「セルフイメージ」に語りかける

あなたのビジネスにおける「キリマンジャロ」(=上位ライン)は、どんなメッセージでお客様のセルフイメージを高めますか?

  • 「松プランを選ぶお客様は、時間を何よりも大切にする方です。」
  • 「このプレミアム素材を選ぶお客様は、品質に一切妥協しません。」

このように、「この商品を選ぶあなたは、こんなに価値ある人です」というメッセージを込めることで、お客様は「高いものを選んだ」という自己満足と、それを正当化する満足感を得られます。

価格競争は「避ける」のが最良の戦略

20円の価格差を乗り越えてお客様に選ばれた缶コーヒーは、私たちに大切なことを教えてくれます。

お客様は、「安いから」という理由よりも、「これを選ぶ自分が好きだから」という感情で、財布の紐を緩めます。

まずは、御社のサービスに「何となく良い、少し高いプレミアムライン」を設けてみませんか?

それが、価格競争という名の泥沼から脱却し、利益率の高い経営へと転換するための確実な第一歩になるかもしれません。


Googleビジネスプロフィールやウェブ集客はもちろん、価格設定や商品ラインナップの戦略についても、私たち宮城県よろず支援拠点の専門家チームが無料でサポートさせていただきます。

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